プリナップ(婚前契約)

プリナップ(婚前契約)とは?

離婚の準備ではなく、「ずっと仲良くいるための約束」です

 「婚前契約書(プリナップ)」と聞くと、映画に出てくるような「離婚した時の財産争い」や「手切れ金の条件」といった、少し冷たいイメージを持つ方もいるかもしれません。
 でも、行政書士がが提案するプリナップは違います。これは、これから人生を共にする二人が、お互いの価値観をすり合わせ、安心して結婚生活を送るための「未来の設計図」そのものなのです。

 結婚生活は長い旅のようなもの。「お金の管理はどうする?」「仕事と家事のバランスは?」「もしもの時はどう支え合う?」そんな大切なルールを、あやふやなまま出発するのではなく、しっかりと言葉にして地図(契約書)に残しておく。
 それが、現代の賢いカップルが選ぶ新しい結婚のスタイルです。

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なぜ、「入籍前」に急ぐ必要があるの?

法律の意外な落とし穴と、タイミングの重要性について

 結婚式の準備や新居探しで、目の回るような忙しさだと思います。「契約書なんて、落ち着いてからゆっくり作ればいいのでは?」と思うかもしれません。
 しかし、これだけはお伝えしなければなりません。「契約書を作るなら、絶対に婚姻届を出す前(独身のうち)でなければなりません。」
 そこには、一般的にはあまり知られていない、法律の意外な「落とし穴」があるからです。

⚠️ 結婚後の約束は「リセットボタン」付き?

 日本の法律(民法)には、「夫婦の間で交わした契約は、結婚している間はいつでも取り消すことができる」という不思議なルールがあります。
 これは、「夫婦喧嘩や約束事は、法律でガチガチに縛らず、家庭の中で仲良く解決してね」という、法律の昔ながらの配慮(法は家庭に入らず)に基づいています。
 しかし、現代ではこれがリスクになります。例えば、結婚後に二人で真剣に話し合って覚書を作っても、将来ケンカをした時に、相手から「やっぱりあの約束はナシ!取り消します」と言われれば、法的に無かったことにできてしまう恐れがあるのです。
 これでは、せっかくの約束も「いつでも押せるリセットボタン」が付いているようなもので、安心できません。

🔑 「他人」である今しか、作れない効力がある

 この「いつでもキャンセル可能」という不安定な状態を防ぐ唯一の方法。それが、「まだ法律上は他人である(婚姻届を出す前の)期間」に契約を結び、公的な手続き(登記や公正証書化など)を済ませておくことです。

入籍前(他人同士)契約はビジネス同様、厳格に守られるべきものとして扱われます。
入籍後(夫婦)お互いに甘えが許され、契約の効力が弱まってしまいます。

 婚姻届を役所に出したその瞬間から、二人の関係は法律上「夫婦」に切り替わります。  その前に、確固たる「契約」という形でお互いの約束をロック(固定)し、登記などの手続きで第三者にも証明できる状態にしておくこと。
 これが、二人の約束を一生ものにするための絶対条件なのです。

💡 結論:入籍日が決まったら、すぐにご相談を!

 「入籍してからでいいや」は、法律の世界では命取りになりかねません。
二人の大切な約束を、単なる「口約束」や「メモ書き」で終わらせないために、婚姻届というゴールテープを切る前に、まずは私にご相談ください。入籍日に間に合うよう、私たちが全力でサポートします。

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✅ 成立する例(OKパターン)

 これらは法的に有効であり、多くのカップルが実際に取り決めている内容です。

約束事有効の具体例
お金の管理・生活費の分担「毎月の生活費は、夫が20万円、妻が15万円を共通口座に入金し、そこから支出する。」
最も基本的かつ重要な項目です。定額負担、割合負担(収入に応じる)など、二人が納得していればどのような形式でも有効です。
借金・ギャンブルの禁止「パチンコ等のギャンブル、および消費者金融からの借入を禁止する。発覚した場合は直ちに専門機関へ相談する。」
健全な家計を守るための約束として有効です。
家事・育児の分担方針「夫はゴミ出しと風呂掃除を担当し、妻は料理を担当する。育児については可能な限り均等に分担する。」
厳密な法的強制力(裁判で強制執行など)を持たせるのは難しいですが、契約上の債務として規定することは可能です。指針として機能します。
仕事・キャリアの継続「結婚・出産後も、妻は正社員としての仕事を継続し、夫はこれを全面的に協力・サポートする。」
お互いのキャリア観を尊重するための条項です。転勤の際の対応などを決めておくケースもあります。
独身時代の財産(特有財産)の明確化「結婚前から各自が保有している預貯金、有価証券、不動産は、結婚後もそれぞれの個人の財産とし、共有財産には含めない。」
これを明記することで、万が一の離婚時、財産分与の対象から外すことができます(民法上の「特有財産」の確認)。資産家や再婚の方に多い条項です。
暴力・モラハラの禁止「身体的な暴力はもちろん、言葉による暴力(暴言・無視など)を行わない。」
当然のことですが、契約書に明記することで「絶対に許さない」という強い意思表示になります。
浮気(不貞行為)のペナルティ「不貞行為が発覚した場合、不貞を行った側は相手方に対し、慰謝料として金300万円を支払う。」
金額が社会通念上妥当な範囲(数百万円程度)であれば、損害賠償額の予定として有効です。
親族・義実家との付き合い方「盆・正月の帰省は交互に行う。また、親族間の金銭の貸し借りは原則として行わない。」
トラブルになりがちな親族関係のルール化です。同居の有無についても定めておくと安心です。
ペットの飼育と親権(監護権)「現在飼育している犬(ポチ)の所有権は妻にあることを確認する。離婚等の際は妻が引き取り、夫は養育費として月額5,000円を補助する。」
子どもと違い、ペットは法律上「動産(モノ)」扱いなので、所有権や費用の分担を自由に決められます。
定期的な話し合いの場の設置「毎年結婚記念日には、本契約の内容を見直し、必要に応じて修正するための会議を行う。」
状況の変化に合わせて契約をアップデートしていくための、とても建設的な条項です。

🚫 成立しない・公序良俗に反する例(NGパターン)

 以下のような内容は、たとえ二人が合意してハンコを押していても、法律上は「無効」となり、守る必要がありません。また、公証役場でも認証を断られます。

約束事無効の具体例
浮気したら「全財産没収」「不貞をした側は、全財産を放棄して裸一貫で家を出ていくこと。」
ペナルティの設定は可能ですが、生活ができなくなるような過酷すぎる条件は「公序良俗違反(民法90条)」として無効になります。
子どもの親権の事前放棄「離婚する場合、子どもの親権は必ず夫が持つ。」
未成年の子の親権は「子どもの利益」のために決められるもので、親の都合で事前に契約することはできません。無効です。
養育費・婚姻費用の放棄「別居・離婚しても、相手方には一切金銭(生活費・養育費)を請求しない。」
夫婦や親子の扶養義務は法律上の強行規定であり、放棄することはできません。特に子どもの権利である養育費を放棄させる契約は無効です。
奴隷的な拘束・人権侵害「妻は夫の許可なく外出してはならない。また、夫の命令には絶対服従とする。」
個人の尊厳や自由を著しく侵害する内容は、公序良俗に反し無効です。
夫婦生活(性交渉)の強要「週に3回以上は必ず性交渉に応じること。拒否した場合は罰金を払う。」
性的自由(性的な自己決定権)を侵害する契約は無効です。愛情や信頼に基づくべきものであり、契約で強制はできません。
離婚の禁止(または強要)「何があっても絶対に離婚しない。」または「結婚後3年経ったら必ず離婚する。」「身分行為の自由」と言って、結婚や離婚をするかしないかは個人の自由意志によるべきもので、契約で縛ることはできません。
第三者への加害・犯罪行為の強要「夫の事業が失敗した場合、妻は連帯保証人にならなければならない。」
将来発生するかわからない債務の保証を強制することはできません。また、犯罪行為を助長する内容も当然無効です。
義両親の介護義務の強要「妻は、夫の両親が要介護状態になった際、仕事を辞めて介護に専念する。」同居・協力の義務はありますが、職業選択の自由を奪い、一方的に過度な負担を強いる内容は公序良俗に反する可能性があります。
常時監視・プライバシーの侵害「お互いのスマホのGPSを常時オンにし、メッセージ内容はいつでも相手が見られる状態にする。」
お互いが心から同意していれば事実上運用されることもありますが、契約として強制するにはプライバシー侵害の度合いが強く、無効とされる可能性が高いです。
愛人(第三者)との関係容認「夫が愛人と生活することを妻は容認し、慰謝料請求もしない。」
いわゆる「妾契約」を容認するような内容は、日本の婚姻秩序(一夫一婦制)や公序良俗に反するため、絶対的に無効です。

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(参考) 根拠条文

※プリナップ(婚前契約)に関連する民法の条文です。

■ 夫婦間の約束は、婚姻期間中いつでも取り消すことができる(原則)

民法 第754条(夫婦間の契約の取消権)

夫婦間でした契約は、婚姻中、いつでも夫婦の一方からこれを取り消すことができる。ただし、第三者の権利を害することはできない。

■ 結婚前に契約しなければ、民法第762条第2項の定めにより、夫婦の共有財産と推定される。

民法 第755条(夫婦の財産関係)

夫婦が、婚姻の届出前に、その財産について別段の契約をしなかったときは、その財産関係は、次款の規定(法定財産制)による。

民法 第762条(夫婦間における財産の帰属)

1.夫婦の一方が婚姻前から有する財産及び婚姻中自己の名で得た財産は、その特有財産(夫婦の一方が単独で有する財産をいう。)とする。
2.夫婦のいずれに属するか明らかでない財産は、その共有に属するものと推定する。

■ 結婚前に登記しなければ、効力を生じない(第三者対抗力が生じない)

民法 第756条(対抗要件)

夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない。

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